奨学金は大学の学費などの高額な費用を工面するために利用している方は多く、特に近年は大学の学費が上がってきているということもあり、奨学金を利用して大学に通っている方は珍しくないです。
学費は大学や学部によって違ってきますが、私立の大学は特に費用が高額で、さらに大学が自宅から遠方の場合だと一人暮らしをしながら大学に通うことになり、大学の学費だけでなく一人暮らしの生活費も工面することになります。
多額の奨学金を借りたとしても、大学卒業とに返済できれば問題ないですが、就職氷河期などの時期が長く続き、現在では終身雇用も崩壊している状況なので、途中まで順調に返済していたとしても、途中で働けなくなり返済できなくなるということは普通あります。
人によって奨学金の金額は違ってきますが、平均すると大体300万円程度の奨学金を利用しているので、これらの借金を新卒から背負って返済していくのはなかなか大きな負担です。
そのため奨学金を返済することができずに、任意整理などの債務整理手続きを利用して、奨学金による借金を整理する方も珍しくないです。
任意整理は債務整理手続きの中でも一番利用者が多い債務整理方法です。
任意整理は奨学金を借りている債務者が弁護士や司法書士などに相談して、日本学生支援機構などの債権者と交渉して利息を免除してもらったり、返済期間を長くして毎月の返済額を軽くするという手続き方法になります。
ただ任意整理に関しては奨学金を返済負担を軽くすることを目的に利用するのにはあまりメリットがないように感じます。その理由は下記の2つです。
奨学金の利息は年0.5%から1.5%程度の低利息なので、奨学金の額が数百万円だったとしても利息はそこまで大きな負担にはなってないため、任意整理で利息を免除してもらったとしても返済負担が大きく軽くなることはないです。
消費者金融などは金額によって金利は変わってきますが、10%以上の金利も普通にあるので、こういったケースの場合は任意整理による利息免除の効果が大きいです。
任意整理の大きなメリットである利息の免除の効果は低利息の奨学金では効果が発揮されにくいということです。
任意整理を利用するとこれまで延滞していた借金に関する遅延損害金の免除も交渉によっては可能になるのですが、奨学金を所管している日本学生支援機構は遅延損害金の免除には応じてくれないです。
任意整理は交渉によって返済負担を軽くするという債務整理方法なので、相手が最初から交渉に応じてくれないと成果を出すことは難しいです。
奨学金を任意整理することは可能ですが、あまり大きな成果を期待することができないので、優秀な弁護士や司法書士に依頼したとしても高いコスパを実現するのは難しいと思います。
任意整理は奨学金を整理するのに利用するのはあまりお勧めできないですが、それでも奨学金による借金を抱えている方が任意整理を利用することは普通にあります。
奨学金を抱えている方が任意整理を利用する場合には、奨学金を任意整理の対象から外して、奨学金以外の借金を整理することで全体の返済負担を軽くし、返済を軽くした分を奨学金の返済に充てるという方法があります。
奨学金は個人再生や自己破産手続きなら元本も含めてがっつりの減額することができますが、奨学金には連帯保証人や保証人が設定されているので、これらの債務整理方法を利用すると、減額された分を連帯保証人や保証人に請求されることになります。
しかし個人再生や自己破産は任意整理のように債務整理する対象を選ぶことはできないので、これらの債務整理方法を利用すると、連帯保証人や保証人に迷惑をかけることになります。
そのため、連帯保証人や保証人に迷惑をかけないために、債務整理する借金を選ぶことができる任意整理を利用して返済するという方法が利用されたりしています。
奨学金負担が重くて、どうしても返済できないような場合には、個人再生や自己破産手続きを利用するといいと思います。
個人再生や自己破産は裁判所で手続する債務整理方法で、債権者と交渉して借金の減額幅が決まるというような感じの手続きではなく、あらかじめある程度の減額幅が決まっています。
個人再生の場合は借金額が大きい場合には最大で借金が10分の1まで減額することができるので、ほとんどの借金を免除できる場合もあります。奨学金による借金でもしっかり減額することができるので、奨学金を返済できない場合には利用候補になります。
また自己破産も奨学金を減額するのに有効な債務整理方法で、裁判所が免責を認めれば借金返済の義務がなくなります。当然ですが免責が認められれば奨学金の返済義務も消滅するので借金問題は一気に解決します。
ただ奨学金には連帯保証人や保証人が設定されているので、個人再生や自己破産のような借金の減額幅が大きい債務整理方法を利用すると、減額された分について連帯保証人や保証人に請求が行ってしまうということは知っておきましょう。
しかし連帯保証人や保証人に機関保証を利用しているようなケースなら、家族や親戚に迷惑はかからないので個人再生や自己破産を利用しても問題ないと思います。
奨学金返済負担を軽くする場合には債務整理手続きを利用するのがわかりやすい借金の減額方法ですが、債務整理以外にも日本学生支援機構が設けている返済軽減措置があります。
そのため任意整理を利用する場合には、奨学金は任意整理の対象から外して、他の借金の負担を軽くするために任意整理を利用して、奨学金そのものには日本学生支援機構が設けている返済軽減措置を利用するという方法が考えられます。
具体的には「返還期限猶予制度」と「減額返還制度」という制度の利用が考えられます。
奨学金には返済期限猶予制度があり、病気や失業中など返済が難しい状況になってしまった場合に申し出る制度で、審査に通れば最大で10年の返還期限を延長することができます。
何かの事情で奨学金の返済が難しくなってしまった場合には十分に利用を検討する余地はあると思います。
借金そのものが減額されるわけではないですが、失業してしまった場合には返還期限猶予制度を利用することによって再就職までの時間を稼ぐこともできます。
減額返還制度は奨学金の毎月の返済額を減らして、その分だけ返済期限を延長するという制度です。返済期間は伸びますが、その分だけ毎月の返済額が減るので負担軽減につながります。
給料が減額されてしまったなどの手取りが小さくなり、毎月の返済額に負担を感じているような場合に利用するといいかと思います。
この制度も奨学金自体が減額されるわけではないですが、毎月の返済負担は小さくなるので、十分に活用するといい制度だと思います。
奨学金はありがたい制度ですが、学校卒業後に就職活動で失敗してしまったり、就職後に何かの事情で働くことができなくなってしまったり、会社が倒産してしまったりなどの収入状況が変わると返済できなくなることがあります。
もし奨学金の返済が厳しくなってきたら、日本学生支援機構による返済軽減制度や債務整理手続きの利用を検討するといいと思います。
奨学金を滞納してそのままにしていると給料や資産を強制執行で差し押さえられる可能性もあるので、滞納する前に対策方法を考える必要があります。
日本学生支援機構による軽減措置で返済できそうなら申請し、軽減措置を利用しても返済が難しいそうなら債務整理手続きを利用するといいと思います。
任意整理の場合は奨学金以外の借金を任意整理で整理して、奨学金は軽減措置で返済負担を軽くするという合わせ技を利用するといいのではないかと思います。
奨学金返済で困っているなら、まずは弁護士や司法書士などの債務整理の専門家に話を聞いて、奨学金を債務整理するべきなのかを検討するといいと思います。当サイトでは無料相談をやっている弁護士や司法書士をまとめているので参考にしてください。
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任意整理は手元にお金がなくても手続き可能なので借金返済で悩んでいる場合には、まずは弁護士・司法書士の無料相談を利用するといいです。下記から都道府県別に借金問題の相談を無料で行っている法律事務所をまとめているので参考にしてください。。 | |
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